日本政策金融公庫の審査基準とは?通りやすくなるポイントはある?

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1 日本政策金融公庫と他の金融機関との違い

日本政策金融公庫は、起業家を増やすために国の政策として創業融資に力を入れています。金融機関がお金を貸し出すときに一番気になるのは「貸したお金を返してもらえるか(返済可能性)」です。創業後、数年が経過している企業であれば決算書などから返済可能性がある程度予測できますが、これから起業するかたには、過去の決算書などありません。
そのため、返済可能性の判断が難しい創業者向けの融資は一般の金融機関は消極的です。しかし、日本政策金融公庫は、過去の決算書以外の部分で返済可能性を判断して融資を行います。ここが、日本政策金融公庫と一般の金融機関の融資に対する大きな違いといえます。

2 日本政策金融公庫の審査基準はどこを見るか

先に述べたように、創業者には実績がまだありません。しかし、創業者自身が個人として「これまで何をやってきて、これから何をする予定で、どのような準備をしていきたのか」これらについてはあるはずですね。おおざっぱに言うと日本政策金融公庫の審査基準もこれらを見て判断します。
たとえば、ラーメン屋の店長として10年働いてきた人が独立してラーメン屋を始める場合と、飲食店とは無関係の仕事で10年間働いてきた人がラーメン屋を起業する場合を比べてみます。これだけ見ると、やはり前者の人が成功する可能性が高いといえるでしょう。しかし、そこで後者の人が、ラーメン屋を開業するのが夢で10年前から少しずつ開業資金を貯金し、毎日のようにラーメンの食べ歩きを行い、味を研究して知人30人以上に試食をしてもらい改善を繰り返して完成した自信のあるラーメンが作れるようになったので開業する。また、食べ歩きのなかで、売れている店の共通点とそうでない店のやってはいけないことなどを徹底的にリサーチして、開業する店舗にこのように活用する計画がある。店舗周辺のマーケティングリサーチがしっかり行っているなどの事前準備があれば、ラーメン屋としての経験がなくても融資を受ける可能性が高くなります。
このように、日本政策金融公庫は事前準備をいかに行ってきているかをとても重要視します。そこで、どのような審査項目があり、どのようなポイントが評価を受けるかについて細かく解説してきます。

3 日本政策金融公庫の審査項目とポイントは?

(1)自己資金

自己資金とは持っているお金全てのことでなく、事業に使うことができる資金のことを言います。そのため、当面の生活費などは含まれませんので注意が必要です。日本政策金融公庫は、この自己資金は、創業に必要な資金のうちの10分の1以上は必要であると公表しています。この10分の1という要件は審査してもらえる最低限の要件にすぎません。できれば10分の3程度の自己資金を用意しておくことが理想的です。たまに自己資金を多くみせるために知人や家族から一時的にお金を借りるいわゆる見せ金を用意する方がいますが、見せ金は通用しませんので注意してください。また、見せ金だとわかると非常に心証も悪くなります。

(2)創業計画書

過去の実績がない創業者にとって、創業計画書は融資審査の結果を左右する重要な書類です。創業の動機から個人の経歴、事業の内容、資金繰り、資金使途、借入金額など記入していきます。この内容が明確で具体的に作りこまれていると審査しやすくなりますし、あいまいな内容だと、創業について考えが浅いと判断されますのでしっかりと作りこんでください。創業計画書の書き方については知りたい方はコチラを参照してください。

(3)資金使途

創業計画書の中に記載する項目がありますが、創業に必要な設備に関する資金、創業後の稼働に必要な運転資金、自己資金などを記載します。設備資金は内装費や備品の購入で、運転資金はおよそ3か月分を目安に借入が可能です。ただし、いずれも適正価格であることと、運転資金については、仕入・支払い期間から毎月どのくらいの運転資金が必要なのかが詳細に検討されていると認められやすく、ここの運転資金の見通しが甘いと審査どころか創業後のキャッシュフローも困りますので、しっかりと検討して記載しましょう。

(4)個人信用情報

日本政策金融公庫の新創業融資は無担保・無保証人による融資制度です。そのため、過去の返済実績に事故があると審査はとおりません。不安のある方は自分でも個人使用情報を取得することができますので不安のある方は確認してみましょう(個人信用情報の取得はコチラ

(5)税金の未納

日本政策金融公庫は100%国が出資する金融機関であり、その財源は税金です。税金を滞納している以上、日本政策金融公庫を利用するのは難しいとお考えください。

(6)通帳

審査には手持ちの通帳の中身も確認されます。公共料金、家賃、クレジットカードの支払い期限を守っているか、資金の管理、その他借入や不自然なお金の動きがないかなど確認されます。最低過去6か月間の記録が確認されて、不自然な点があれば、その説明と数字の裏付けがとれるまでさかのぼっていきます。

(7)面談

申込者は日本政策金融公庫の担当者と直接面談を行います。このとき、創業計画書の作成などを専門家に丸投げして作成していると、担当者からの質問に答えることができず、また自分の頭では理解していないため、あいまいな表現になり、書いている内容と異なった返事をするときがあります。そうなると審査の心証は悪くなります。面談時には、自信を持ってのぞめるように専門家との付き合い方も考えておきましょう。

4 さいごに

日本政策金融公庫の新創業融資を利用するには、一朝一夕での対応ではなく、入念な事前準備が必要です。なぜ入念な事前準備が必要かというと、日本政策金融公庫が入念な事前準備をしている人ほど事業が継続する可能性が高いことを経験上知っているからです。
ただ、入念な準備を行ってきたとしても、それが日本政策金融公庫に伝わらなければ意味がありません。とくに、事業計画書の作成や資金繰り表の考え方などは難しいところがあります。
弊所では、神戸市・明石市近郊で創業融資をお考えの方を対象に事業計画書の作成や資金繰り表の作成についてサポートを行っています。また、面談時だけのことだけでなく、創業後のことを考えて、丸投げで受け付けるのではなく代表者と一緒に作り上げていく方式を採用しています。創業計画は融資を受けるためだけでなく、その後事業を成功させるために必要だと考えているからです。
創業をお考えの方は、是非、弊所にお気軽にご相談ください。財務面に関する全面的なサポートも対応させていただきます。

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